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この記事では、債務整理の手続きの一種類である、「特定調停」について解説していきます。
債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」そして今回ご説明する「特定調停」の4種類が主にあります。このうち特定調停は、あまり用いられる事も多くはないのですが、知識としてその特徴や方法、メリット・デメリットを把握していきたいと思います。
特定調停とは
特定調停とは、借金などの返済が従来の契約(約束)通りに履行できなくなった債務者(特定債務者)が、裁判所の調停委員の仲介のもとに、債権者と話し合いをして解決を求める手続きです。
簡易裁判所で、問題仲裁のプロである「調停委員」と、裁判官による「調停委員会」の仲裁によって解決を図る
弁護士や司法書士をつけずに行うこともでき、債権者と債務者が、調停委員や調停委員会の仲裁のもとに話し合いを行う
といった点が、特定調停の大きな特徴となります。
どういった形での解決となるかは事情により異なりますが、「申立日における返済元金、利息、遅延損害金などの合計額について、3~5年程度の分割で支払い続ける」といった形になることが多いようです。
特定調停は、弁護士や司法書士をつけずに行うことも可能です。
しかし実際には、弁護士・司法書士の力添えやアドバイスが不要ということではありません。
特定調停も、「特定調停法」および「民事調停法」などに基づく、立派な法的手続きです。
そのため、法律専門家である弁護士や司法書士に、少なくとも無料相談だけは行い、アドバイスをもらう必要があります。
「特定調停を自分で行いたい」
「弁護士に頼むか、自分で特定調停をするか迷っている」
といった方も、まずは最初の一歩として、弁護士や司法書士に無料相談を行いましょう。
返済減額・免除の手続き(債務整理)の解説と、無料相談対応の弁護士・司法書士について、次の記事をご覧ください。
特定調停のメリット
特定調停のメリットについて、いくつかまとめていきます。
自身で申し立てれば、費用が安く済む
特定調停は、弁護士や司法書士をつけずに行うことも可能です。自身で申し立てを行えば、弁護士費用や司法書士費用が掛からないぶん、手続き的には安く済むと言えます。
ただし後程解説しますが、借金などの返済の減額については期待できないため、トータルの結果で考えると、他の手続きのほうが得策になることも多くあります。
近年では、「債務整理の初期費用が掛からない弁護士・司法書士」も増えてきており、そうした点から見ても、特定調停の“費用が安い”というメリットは、あまり過大評価はしないほうが良いかもしれません。
手続きが簡単で迅速
「簡単」というのは、あくまで“裁判所を通す手続きとしては”、という意味です。一般個人でも簡単にできるか、と言われると、そうとは言い難い側面もあるため注意が必要です。
ただ、「期日が通常2回程度」「期間も申し立て日から2か月程度」で解決できる場合も多く、個人再生や自己破産よりも迅速だと言えるのは確かでしょう。
とはいえ債務整理には、“裁判所を通さない任意整理”もあるため、トータルで比較する必要があります。
人それぞれの事情によって適した解決方法も異なるため、「特定調停を行えば何でも素早く簡単に解決できる」といった、魔法のような手続きではないことは、意識しておく必要があるでしょう。
話し合いが合意に至らなくても、調停が成立する場合がある
特定調停は、調停委員や調停委員会を通すとはいえ、原則として債権者と債務者(特定債務者)との話し合いで和解を目指すものです。言い換えれば、話し合いが成立せず、合意に至らない場合も考えられます。
ですが特定調停では、両者が合意に至らなかった場合も、裁判所の職権による決定で、調停が成立した場合と同様の効力が発揮されることがあります(特定調停に代わる決定(いわゆる「17条決定」)。
そのため、返済減額などの内容はともかくとして、“とにかく債権者と合意に至ること”だけを考えれば、特定調停にも一定のメリットがあると言えそうです。
特定調停のデメリット
続いて、特定調停のデメリットについてまとめていきます。
平日の昼間に、裁判所への出頭が必要
特定調停は、弁護士や司法書士を通さずに、本人が申し立てることが可能です。その場合、弁護士費用(または司法書士費用)が掛からないメリットはあるものの、自分で裁判所に出頭し、手続きしなければなりません。通常は2回程度の出頭で済むことが多いのですが、場合によりもっと長引くことも考えられます。
期日は平日の昼間にしか開かれないため、仕事や育児など、スケジュールを合わせるのが難しい方には、大きな負担になってしまうでしょう。
過払い金の返還請求が難しい
特定調停で過払い金を取り返すことは、「非常に難しい」という見解もあります。単に「過払い金がある」といっても、実際にはさまざまな論点が生じることになります。債権者としても、容易には返還しがたい部分もあるでしょう。また、調停委員としても判断しきれない事もあります。
そのため過払い金返還請求については、その部分は弁護士・司法書士などの専門家に依頼する形になることもあります。
他の債務整理ではカット可能な部分も、カット(減額)できない
任意整理、個人再生、自己破産などの他の債務整理手続きでは、場合によって返済の元金を減額したり、遅延損害金や将来利息などをカットしたり…と、“返す予定の金額の減免”が得られる場合も多くなります。一方で特定調停では、「未払利息」や「遅延損害金」がカットできない場合がほとんどだと言われています。
こうした事もあり、特定調停では、任意整理など他の手続きと比較しても、支払わなければいけない金額が大きくなってしまう結果になりがちなようです。
調停調書をもとに、差し押さえが可能になる
特定調停で和解が成立したのち、債務者が返済を滞納すると、債権者は調停調書をもとに差し押さえ・強制執行を申し立てることが可能になります。
調停調書とは、特定調停の合意内容が記載された文書ですが、これは判決と同様に法的効力を持つ“債務名義”となります。そのため、債務者が調停の合意に従わずに滞納した場合、すぐに強制執行を申し立て差し押さえをすることが可能となります。
このほか、「ブラックリストに載る」など、他の債務整理と同様のデメリットも発生していきます。
メリット・デメリットともに特徴のある手続きですので、「本人で申し立てできる」とはいえ、安易に行うべきものではないでしょう。
仮に「特定調停で解決したい」と希望している場合でも、まずは債務整理に強い弁護士・司法書士の無料相談でどの方法が一番よいのかアドバイスをもらった方が良いでしょう。
「特定調停を自分で行いたい」という人の中には、費用のことが気がかりな方も多いかと思います。
しかし、それならば一層、“無料相談だけは絶対に行うべき”と言えます。
なぜなら、無料相談は文字通り、無料で行えるからです。
弁護士や司法書士への相談は、ふつうの場合、1時間1万円ほどの相談料が掛かるのが相場です。これを無料で行えて、有益な情報やアドバイスを専門家からもらえるので、「無料相談はしないほうが損」と言っても良いでしょう。
まずは次のページで、無料相談対応の弁護士・司法書士をご覧ください。