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「今の若い人たちって、甘えてるじゃない?ね、アンタもそう思うでしょ?」
60代後半の母親からこう言われた時、私(筆者)は衝撃を受けました。
私の母は、普段から様々な社会問題に関心を持ち、テレビだけでなくネットでも情報を集めている人です。
そんな我が母ですら、「今の若者は甘えている」と認識している…。これはとても衝撃です。
気になって調べたら、こんな体験談も見つかりました。
「収入が低くて生活が苦しい、でも親が助けてくれないから、カードローンに頼って生活している」
「生活費が足りなくて借金漬けになってしまった。でも親には言えない。言っても助けてもらえないし、怒られるだけ」
そこには、「若者の貧困を理解できない高齢者たち」の姿が思い浮かびます。
この問題について、調べたことや、私なりの考えをまとめていきます。
毎月50万円散財の親、ひもじい生活の娘と孫…“助けてくれない”ネットの書き込み
「近くにひもじい生活苦になっている娘と孫が住んでいるにもかかわらず、一円も助けてくれない親の心理が知りたいです。」
こんな悩みを、とあるシングルマザーの方がネットに書き込んでいます。[1]
母子家庭で、ご実家の「すぐ近くに住んでいる」という質問者さん。最近まで、いわゆるブラック企業に勤めていたこともあり、体も壊してしまっているそうです。
質問者さんが「かなりキツキツ」の暮らしをされている一方、ご実家はかなりのお金持ち。
ご実家は、何十万円もする家電や家具を、いつも衝動買いしており、その額は「毎月50万円ほどの支払い」になるそうです。
「実家はお金持ちなのは知ってましたが、ここまで余裕があるとは」
「最近では、25万もする品物を衝動買いしたみたいで、それを聞いた時に、25万もあったらうちなら6ヶ月食べていけるのに…と思い悲しくなってしまいました。」
お金持ちのご実家が、なぜ、ひもじい思いをしている娘と孫(質問者さんとその子供)を助けないのか…。
理由はわかりませんが、大いに疑問を感じます。
「お金がなくて赤ちゃん産めない」娘夫婦に“月5万”仕送り要求…親は高級ディナーに温泉旅行
「お金があるのに、助けてくれない親」。
似たような話を、私も知っています。
以前、古い友人から、こんな相談を受けたことがあります。
「実家の親から、“月5万でいいから仕送りしてほしい”って言われてて…」
私は驚きました。
友人夫婦が、夫婦共働きでもギリギリの収入で、毎月なんとか暮らしていることを、既に知っていたからです。
私は言いました。
「あなた、親御さんに仕送りする余裕なんてあるの?お金がなくて赤ちゃん作れない…って、言ってたじゃない。」
友人は答えます。
「うん。だから仕送りは断ったんだけどさ。聞いて欲しいのは、ここからなの。」
詳しく話を聞いてみると…。
ご実家の親御さんは、「仕送りをくれ」と言っている一方で、ひんぱんにディナーに出かけたり、温泉旅行に行っているようなのです。
その親御さんのSNSの投稿も、いくつか見せてもらいました。
「今日は○○さん達と一緒に、~~ホテルでランチです!」
一緒に投稿された写真には、1人2万円もしそうなコース料理が並んでいます。
「旦那と~~温泉で3泊4日。湯けむりがとっても素敵です」
交通費や宿泊費だけで考えても、20万円は掛かっていそう…。
こんな贅沢を毎月のようにしながら、お金がなくて赤ちゃんも作れない娘夫婦に、「月5万円の仕送り」を要求…。
さすがに、何かがおかしいと思ってしまいます。
年間およそ30万円の娯楽費は「贅沢ではない」-野党議員が国会で熱弁
なぜ、若者・現役世代の生活苦に対して、年金世代の親たちは、こんなにも理解がとぼしいのか…。
それどころか、十分な資産を持っていながら、「お金がない、もっと寄越せ」と主張するのか…。
疑問を持ちながら調べていたところ、こんなニュースを見つけました。
「国民年金 2000万円不足」の問題について、日本共産党の小池晃書記局長が、安倍総理を追求する様子が報じられています。
小池氏は、厚労省が「厚生年金でカバーしないのは、娯楽費と交際費」と説明していると明かし、高齢夫婦の娯楽費は総務省の調査で月2万5千円、交際費は月2万7千円だとして、「1日わずか800円の娯楽費がぜいたくか」と迫りました。
小池 日本の公的年金は、こんなささやかな暮らしも支えられないのか。趣味もひかえ、友だちとの付き合いもやめ、家でじっとしていなさいと言うのか。
まず、年金問題について厳しく追及して頂いていることは、大いに支持したいと思っています。現役世代の私としても、「毎月1万6000円ちょっと払いなさい。強制です。でも老後の生活は保障しませんよ」なんて言われて、たまったものじゃありません。
しかし、ここで言いたいのは、年金問題ではありません。
「1日わずか800円の娯楽費がぜいたくか」
という問いかけに対してです。
1日800円=年間およそ30万円の娯楽費は「ぜいたく」か
1日800円は、年間365日で29万2000円。およそ30万円です。もしくは、毎月2万4000円と言ってもいいでしょう。
毎月2万4000円、年間およそ30万円も娯楽費に使える人は、今、どのくらいいるでしょうか?
年収が300万円あったとしても、年30万円の娯楽費はキツイと思います。年収の1割も、娯楽費に使えません。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」(平成30年)によると、年収300万円以下の世帯は、全体のおよそ33.6%になります。[2]
このグラフは、世代間での区別はされていない点に注意は必要です。しかしそれでも、この国の3世帯に1世帯は、年収300万円以下で暮らしているという事実は、注目に値します。
この記事をお読みの皆さん、とくに現役世代の皆さんにもお聞きしたい所です。
あなたは今日、800円も娯楽に使いましたか?
昨日は、一昨日はどうでしょう?
明日の予定は?
あるいは、今週7日間で、5600円も娯楽に使いましたか?そんな生活を続けられるでしょうか?
1日800円の娯楽を「ぜいたく」と感じる私たち。
1日800円の娯楽を「ささやかな暮らし」と感じる年金受給者の皆さん。
それほどまでに、金銭感覚に格差がある…それが実態ではないでしょうか?
もちろん、高齢者の中にも貧困に陥ってしまっている人はいますし、現役世代でもたくさん稼いでいる人もいます。
ここで注目したいのは、「1日800円=年間およそ30万円の娯楽は、贅沢ではない」という金銭感覚で、国会で議論が行われたという事実です。
高齢の親世代が理解できない「現役世代の暮らしのつらさ」
お金に余裕があるのに、生活苦のシングルマザーの娘と孫を助けない…。
「お金がなくて赤ちゃんが産めない」という娘夫婦に対し、月5万円の仕送りを要求しながら、自分は贅沢な暮らしぶり…。
そして、年収300万円以下の世帯が1/3以上もあるのに、「1日800円=年間およそ30万円の娯楽費は、贅沢ではない」という金銭感覚で議論される国会…。
こうした事例を見ていくと、「今の若い人、現役世代の暮らしのつらさを、団塊世代・バブル世代は理解できないのでは」と疑ってしまいます。
今の若者は怠けている、甘えている、努力が足りない…年金受給世代の言葉
こうしたニュースを見たり、体験談を聞いたりして、私も高齢の親たちに率直な意見を聞いてみました。冒頭ご紹介した母の言葉も、その一つです。
「今の若い人たちも大変よね。」
「私らなんて、年金だって(月々の負担額が)安かったわけだし。」
「私たちの若い頃は、所得倍増計画なんてのもあったからね。2~3ぐらいで、お給料が倍になったのよ。」
…と、一定の理解を示してくれる人もいました。
しかし二言目には、
「それでもねぇ、やっぱり今の人は怠けてる。だらしない。そうでしょ?」
「家も車も買わないらしいじゃない」
「出世もしたがらないしな、今の若者は。無責任なんだよ。」
…と、厳しい言葉。
そして行き着くところは、
「私らだって、年金暮らしになって収入が減って、生活がつらいんだよ」
「これじゃ、海外旅行にも行けやしない」
「若い人たちに、もっともっと頑張ってもらわないと」
やはり、「若者は甘えている」論を主張されてしまいました。
「お金が無い」のレベルが違う…団塊・バブル世代と現役世代の認識の違い
こうして様々な情報を集め、話を聞いてみるにつれて、
「団塊・バブル世代=今の高齢者と、現役世代との間には、埋めがたい認識の差があるのでは」
と、強く思わざるを得ません。
おなじ「お金が無い」という言葉でも、団塊バブル世代と、今の現役世代とでは、レベルが違うのではないでしょうか。
「若者の○○離れ」が、「お金の若者離れ」だと、何年も前から言われていますが、その声もきっと届いてはいないのでしょう。
自分の暮らしは、自分で守るしかない
「自分の暮らしは、自分で守るしかない」。
当たり前のことかもしれません。ですが、今の私たち現役世代は、より強くそう認識し、覚悟を決めるべきだと、改めて思います。
当サイトで主に扱っている、借金問題や債務整理もそうです。
一昔前なら、借金やカードの返済がつらくなっても、「いざという時は、頭を下げて親に助けてもらう」という選択肢があったでしょう。
しかし今は、それも期待できません。
たとえば、100万円の借金返済にこまり、親や相談したとしましょう。
「100万円?なんだそのぐらい、死ぬ気で働けば返せるだろう。お前ももう大人なんだから、いつまでも親に甘えないで努力しなさい」
このように返事する親も、かなり多いと思います。
「お父さん、バブルはもう終わったの」
と言いたいところですが、理解はされないでしょう。
今はもう、努力と根性で収入を得られる時代ではありません。
債務整理も「親に知られたくない」
債務整理を考える人のなかにも、かなりの割合で、「実家の親に知られたくない」「内緒で債務整理したい」という人が多いようです。
実は、“秘密を守って債務整理(返済減額)”が得意な弁護士・司法書士もいるのですが、そうした話はまだまだ知られていないようです。
誰にも知られずに返済の悩みを解決することは、十分可能です。こうした事実の周知徹底に努めることも、当サイトの役割の一つと考えています。
「お金があるのに、親が助けてくれない」という人も、借金やローン、クレジットカード、奨学金などの返済であれば、親に知られずに解決できます。
具体的な方法に興味をお持ちの方は、こちらの記事をお読みください。